『観葉植物の植え替えは必要?』初心者が迷わず始められるタイミングと手順のガイド

観葉植物がちょっと元気がない気がするけど、どうしたらいいの?
鉢の底から根っこが出ていたり、水の吸い込みが悪くなっていたら、それは「植え替えサイン」かもしれません。
でも、「植え替えって難しそう」「タイミングや道具がよくわからない」と、不安で手を出せない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、観葉植物の植え替えが必要な理由から、初心者でも失敗しにくい手順、植え替え後の注意点までをわかりやすく解説します。
一度覚えてしまえば、意外とカンタンです。植え替えをすると植物がいきいきと元気を取り戻すこともありますよ。
ぜひ参考にして、大切なグリーンを長く楽しんでくださいね。
まずは、植観葉植物を見てみたい!という方はこちら。
植え替えの必要性
植物を元気に育てていく為には、植え替えによって生育に合わせた土や鉢の大きさを替えることは必要な手入れとなってきます。
- 根詰まり防止
- 土の劣化
- 鉢とのバランスが悪くなる
- 害虫のリセット
①根詰まり防止
植物が大きくなるに伴って根も増えていきます。鉢の中で根がいっぱいになってしまうことで、水分や養分がうまく吸収できなくなり、生長が止まったり植物が元気をなくしてしまいます。
②土の劣化
使い続けた土は、通気性や排水性が悪くなり、カビや病気の原因になることもあります。また、古い土は栄養のバランスが崩れやすく生長を助ける微生物が住みにくい環境になります。
③鉢とのバランスが悪くなる
鉢の大きさを替えずに植物の大きく育っていくと、倒れてしまったり見た目も窮屈になります。
④害虫のリセット
根腐れやコバエの発生などのトラブルの原因は土が古いことである可能性が多く見られます。
植え替えのタイミングの目安
- 鉢底から根が出ている
- 土に水が染み込みにくい(極端に乾きやすい)
- 土の表面にカビやコケが出ている
- 葉の生長が止まった(葉の異常)


見た目に異常がなくても、2年に1回程度は植え替えををおすすめします。
植え替えの手順
植え替えの6ステップ
土を乾かすことで扱いやすくなります
土は3分の1〜半分ほど落とし、根をほぐす
元気な根は白い色をしています
排水性をUPします
株元を土で埋めすぎないようにして、全体を軽く押さえる
根と土を馴染ませる為
6ステップの植え替え注意点
STEP1
葉の様子をしっかり見て、元気がなくなるまで乾かさないようにしましょう。
STEP2
乾かすことで鉢から取り出しやすくしますが、無理に取り出そうとすると根が切れてたり痛めていまう可能性があるのでので優しく扱いましょう。
STEP3
根の3分の1程度ならカットしてもOKですが、落としすぎると株が弱っていまうので黒くなっていたり、ぬるぬるして傷んでいるものだけにしましょう。
SYEP4
大きくしたいからとワンサイズ以上の大きすぎる鉢はやめましょう。土に対して根が小さすぎると鉢中の水分量が多すぎて根腐れを起こすなど、株が元気に育ち憎くなってしまいます。一回り大きくした鉢に植え替えましょう。
ネットを入れることで土の流出を防ぎ、排水がしやすい環境になります。鉢底石は排水がしやすい環境を作りために鉢の6分の1〜5分の1ほど入れましょう。
STEP5
土は一度に入れてしまわないで、一旦、鉢底石が見えないぐらいまで入れます。使用する土が『観葉植物用の土』などではなくオリジナルの土の場合は、害虫対策用の粒状の殺虫剤や肥料も一緒に入れます。

『観葉植物の土』として売られているものには、肥料や虫が湧きにくい土などが使われていることが多くあります。購入する際には袋に記載させている配合原料や肥料の有無など確認しましょう。
鉢の上から2〜3cmは土を入れず、これからの水やりの際に溢れたりしないような『ウオータースペース』を作ります。
鉢の淵に沿って割り箸などで土をつつき土の隙間を埋めていきますが、根を痛めないように注意して行います。最後に台や床に鉢をトントンして土を整えます。
STEP6
土がしっかり定直するために重要な工程です。鉢底から出る水が透明になるまでたっぷりと与えましょう。
植え替えに適した時期と時間
ベストシーズン
春(4月〜6月)から初秋(9月)が植え替えに適した時期といえます。この時期は植物にとっての生育期(=植物が活発に成長する時期)の前後がベストです。
特に回復力が早い春が最適です。
一年間の植物の成長を表にまとめました。
季節 | 時期 | 植物の活動 | 作業 |
春 3〜5月 | 生育緩慢期 | 休眠から目覚めて活動スタート | 剪定・植え替え 肥料 |
夏 6〜9月 | 生育期 | 生育が盛んになる | 剪定・植え替え 肥料 |
秋 10〜11月 | 生育緩慢期 | 涼しくなると活動が緩やかに | 植え替え・肥料 |
冬 12〜2月 | 休眠期 | 体力を温存する | お手入れは 最小限 |

植物の中には10月ごろまで植え替えができる品種もあるのでそれぞれの適した時期を確認して、ダメージの少ない時を見つけて行いましょう。
時間帯
午前中から昼前に行うことをおすすめします。この時間帯は比較的に気温が安定しています。
植え替えに必要なもの

- 新しい鉢(一回り大きい物)
- 鉢底石(軽石など)
- 土(観葉植物用の物のあり)
- スコップ
- 手袋
- 剪定ハサミ(根の整理用)
- 新聞紙やシート(汚れ防止)

鉢の底穴が大きい場合は鉢底ネットも必要になります。
土を整える際につつく棒(割り箸など)もあると良いですね。
鉢の種類と特徴
プラスチック鉢(スリットなし)
特徴:軽くて扱いやすく、価格も手頃です。保水性が高く乾きにくい。
鉢のサイドにスリットの入ったプラスチックの鉢は植物の生育に◎ですが、見た目や水やり後の排水や根に注意が必要な場合があるので、鉢カバーなどを一緒に準備すると良いでしょう。
使用の注意点:水が溜まりやすい為、根腐れに注意が必要です。排水性の良い土を使用しましょう。
素焼きの鉢(テラコッタ)

- 特徴:通気性、排水性が良く、根腐れしにくいです。見た目もナチュラル。
使用の注意点:水分がはやく蒸発する為、乾燥に弱い植物には不向きです。水やりの頻度は植物の様子を見ながら、やや多めにすると良いでしょう。
鉢自体に重さがある為、大型の植物に使用することも多い鉢です。
陶器鉢

- 特徴:デザインが豊富でインテリア性が高い。ある程度の重さがあるので安定性もあります。
使用の注意点:通気性はそれほど良くありません。受け皿とセットになっている場合は良いですが、鉢穴のない場合は、中にプラスチック鉢などを入れてカバーとして使用しましょう。
布鉢、フェルト鉢
特徴:通気性が抜群、軽量で収納も簡単です。
使用の注意点:屋内の使用には受け皿が必須です。水漏れに注意しましょう。
鉢底に穴のない鉢(鉢カバー)
特徴:鉢を中に入れてインテリア性を高めます。鉢底に排水できる穴がなく、鉢のカバーとして使います。(土以外のハイドロカルチャーやスポンジで育てる場合はそのまま使用できます。)
使用の注意点:鉢自体に排水性がないので中の鉢(内鉢)には穴があることが前提です。水やりの場合はそのまま行うと鉢カバーの中に水が溜まってしまうので、内鉢を取り出て行います。
- メリット・・安価で種類が豊富。プラ鉢、陶器鉢、鉢カバーなどインテリアに合わせやすい。
- 注意点・・排水がないと根腐れの原因になってしまうので鉢底の穴を確認しましょう。
- おすすめの使い方・・小さめの植物やカバーとしての使用。
植え替えにはワンサイズ以上大きな鉢は避けましょう。土が多すぎると根に対して鉢中の水分量が多すぎて根腐れを起こすなど、株が元気に育ち憎くなってしまいます。一回り大きくした鉢に植え替えましょう。
鉢サイズと樹高の大きさをまとめました。1サイズで直径が3cmずつ変わります。
鉢の号数 | 直径 | 土の容量 |
3号 | 9cm | 0.2~0.3リットル |
4号 | 12cm | 0.5~0.6リットル |
5号 | 15cm | 1~1.3リットル |
6号 | 18cm | 2~2.2リットル |
7号 | 21cm | 3.3~3.5リットル |
8号 | 24cm | 4.9~5.2リットル |
9号 | 27cm | 7.3~7.8リットル |
10号 | 30cm | 8.2~8.7リットル |
土の種類と特徴
観葉植物用の土(市販品)

- 特徴:ピートモス、バーミキュライト、パーライト、赤玉土などが配合されてたり、肥料なども入っていて初心者に扱いやすい土です。
使用の注意点:各社で成分配合が違います。吸水性、保水性のバランスが植物に合っているのか確認しましょう。
赤玉土

- 特徴:通気性や排水性が高く、鉢の中で型崩れしにくい土です。根の張りをと助けてくれます。乾くと変わるので水やりの目安にもなります。
使用の注意点:単体では栄養が無いために腐葉土や堆肥とブレンドして使います。『観葉植物の土』の中に配合されていることもあります。
腐葉土

- 特徴:栄養が豊富で微生物を含みます。植物の根に優しい土です。
使用の注意点:ニオイがあるものが多く、気になる人は室内の使用は避けましょう。また、カビや虫の原因になることもあるので初心者さんや虫が苦手な方は使用する際は注意が必要です。
ピートモス

- 特徴:軽くて保水性、保肥性に優れています。茶色でフカフカしています。水を含むとスポンジのようにしっとりします。
使用の注意点:中和済(pH調整)か確認しましょう。弱酸性のものがある為、酸性を嫌う植物には不向きです。調整済なら一般的な植物に使用できます。単体ではなく『観葉植物の土』などとして他の土とブレンドして使います。
パーミキュライト
特徴:保水、保肥力があり、軽量です。金〜銀色のフレーク状でキラキラ光って見えます。
使用の注意点:水を含むとベタつきやすい為、排水性のある土とブレンドして使います。
パーライト

- 特徴:通気性と排水性がとても高く、根腐れ防止に効果的な土です。白色で粒状、発泡スチロールのような見た目です。
使用の注意点:栄養素を含まない為、補助材としての使用になります。とても軽く空気中に飛散しやすいので、水やりの際に舞い上がってしまうこともあります。室内での使用時は扱いに注意しましょう。
- メリット・・『観葉植物の土』『多肉植物の土』などが手に入ります。少し足す、補助剤としての使用には良い。
- 注意点・・品質にばらつきが見られます。長期育成には物足らないかもしれません。

土には他にも鹿沼土などいろんな種類があります。観葉植物に慣れている方は、育てる植物に合わせて自身でブレンドされることもありますが、最初は『観葉植物用の土』を使用すると植え替えのハードルも下がりますよね。
現在『観葉植物用の土』として多くの土があり、SNSなどでも広がっています。インテリア性の高い、色の綺麗な物もあり信用性の高いものなら、その中から土を決めるのもいいですね。
鉢や土、鉢底ネットや鉢底石(軽石)がセットになっている物だとさらに植え替えが気軽に行えますね。
そんな時はこちらの通販サイトがおすすめです。重い土や鉢などを持ち帰る事もなくお家に届くのは本当に助かります。
*植え替えに使う土の量については、前項の『鉢の種類と特徴』のところで鉢サイズの表に記載しました。参考にしてください。
植物別の鉢や土との相性
いくつか代表的な観葉植物を例に挙げ、おすすめの鉢と土をご紹介します。
植物とおすすめの鉢
植物 | おすすめの鉢 | 理由 |
サンスベリア | 素焼き鉢 | 通気性があり、根腐れを防ぎやすい |
モンステラ | 深さのあるプラ鉢or陶器鉢 | 成長が早く安定感が必要 |
ガジュマル | 陶器鉢 | インテリア性が高い |
パキラ | プラ鉢 | 軽くて移動しやすく鉢増ししやすい |
ポトス | ハンギング対応のプラ鉢 | 垂れ下がって育つのでハンギングが良い |
植物とおすすめの土
植物 | おすすめの土 |
サンスベリア | 排水性の良い赤玉土+パーライトを配合の土。多肉植物の土でもOK |
モンステラ | 観葉植物用の土にパーライトを混ぜて通気性をUP。配合を確認 |
ガジュマル | 観葉植物用の土にパーライトを混ぜて通気性をUP。配合を確認 |
パキラ | 赤玉土+腐葉土+パーライトの土か観葉植物用の土 |
ポトス | 保水力が必要なので、観葉植物用の土+パーミキュライト少々 |

植え替える植物が乾燥が強い、弱いで保水性を重視する土にするなど、それぞれの生育の特徴を確認して決めましょう。
植え替えをする植物を購入したお店で聞くと間違いはないですね。
植え替え後の注意点
- 直射日光を避ける
- 水やりを控える
- 肥料を控える
①直射日光を避け、半日陰で一週間ほど養生します。根が落ち着くまでは優しい環境で育てるのが基本です。
②植え替え時にたっぷりと水を与えた後は数日〜1週間は水やりを控えます。特に根をきた後は根と土がしっかり定着する途中であることや、過湿で根腐れを起こす可能性もあります。
③肥料は1ヶ月ほど控えます。植え替え直後は根が弱っているので肥料を与えることで植物にさらに負担がかかってしまいます。
まとめ
観葉植物の植え替えは、植物にそのタイミングを示すサインが出たきたら行います。
- 鉢底から根が出ている
- 土に水が染み込みにくい(極端に乾きやすい)
- 土の表面にカビやコケが出ている
- 葉の生長が止まった(葉の異常)
時期は春〜初秋の頃で真夏の暑い時期や寒い時期は避けます。
植え替え用に鉢や土を決め、道具を準備できたら行いましょう。
最初の数日は心配かもしれませんが、手順を守って植え替え後に静かに見守ってあげれば大丈夫です。是非、トライしてくださいね。
植え替え以外にも初心者さんに向けた記事も書いています。参考にしてください。
