秋の花

秋の実を使った花の飾り方|初心者向けのアレンジのコツとポイント&花材の知識

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秋になると、花屋さんに並ぶ実ものが一気に増えてきます。
赤やオレンジの小さな実って、見ているだけでワクワクしませんか?

ただ、秋の実ものは見た目がかわいいけれど、どう飾ればいいかわからない…そんな方に向けて、初心者でも簡単にできるコツをまとめました。

この記事では、秋の実を使った花の飾り方を、初心者の方でも気軽に楽しめるように実際に生けた写真と一緒に、生け方のコツや花材のちょっとした知識もご紹介します。

季節を感じる実もののアレンジで、お部屋を秋らしく彩ってみましょう

秋の実を使ったアレンジの手順と飾り方

①ローゼルとバラ=色を意識したシンプルアレンジ

  • ローゼル
  • バラ
  • ワレモコウ
  • 一輪挿しフラワーベース(RAKOLE)グレー

いける(入れていく)手順

  1. ローゼルの実が枝の先についているので、長さを活かしてフラワーベースに入れる。
  2. ローゼルの細い枝とは逆の、花びらが広がった薔薇を入れる。
  3. 二つの花材(ローゼルとバラ)を繋ぐワレモコウを入れて全体のバランスをとる。

細長い花入(フラワーベース)を使う場合は、入れる本数が限られますが、茎同士が支え合って止まってくれることもあります。一つ持っていると重宝しますね。

組み合わせの』について

花入の色と中心になる花材がダークな印象の場合、少し明るめの色の花材を合わせることで、お互いが引き立て合い、相乗効果が期待できます。

②コニカルとバラ=長さに変化をつけたシンプルアレンジ

  • コニカル
  • バラ
  • ユーカリ
  • 一輪挿しフラワーベース(RAKOLE)ホワイト

いける(入れていく)手順

  1. コニカルの黒く大きな実を入れる。
  2. 近くに花を置くと見えなくなるので、晴れた位置にバラを入れる。
  3. 正面向かって左の空いたスペースに、ユーカリの小枝を入れて全体のバランスをとる。

コニカルが少し短めだったので、花入の口あたりでそのままの長さで使用しました。

購入時の茎の長さから花の位置が決まる事もあります。

茎の長さ』が足らなかったら

花に葉を残すことで、花入の口に引っかかり長さを出すことができます。ただし、中では宙に浮いた状態です。水は十分に入れてくださいね。

③赤い実と赤いバラ=同系色でまとめたアレンジ

  • トウガラシ
  • ヒペリカム
  • ローゼル
  • バラ
  • ガラス花瓶 (Standard Products)

いける(入れていく)手順

  1. 実の大きいトウガラシを入れる。
  2. 対角線状に同じトウガラシの小さい枝を入れる。
  3. 長いトウガラシの後ろに奥行き(幅)が出るようにローゼルを入れる。
  4. 後ろにも奥行き(幅)を出すようヒペリカムを入れる。
  5. 一番前に短くしたバラを入れる。

赤色だけのアレンジですが、ヒペリカムの大きな緑の葉を一つだけ残すことで、周りの赤色が一層映えてきますね。

『奥行き(幅)』はあったらいいな

なぜ、奥行きがあったらいいか・・・花に広がりが生まれて立体的なデザインに仕上がります。花の表情を豊かにすることができます。

(写真に収めると平面的になってしまうことが多いのが残念です)

④ソラナムパンプキンとバラ=花材と花入の調和を意識して

  • ソラナムパンプキン
  • コニカル
  • ユーカリ
  • ノバラ
  • バラ
  • シェル フラワーベース(Francfranc)

いける(入れる)手順

  1. ソラナムパンプキンを枝についた実が全部出るように入れる。
  2. ソラナムパンプキンの対角線上に大きな実のついたコニカルを入れる。
  3. ソラナムパンプキンの半分の長さのバラを枝に添わせて入れる。
  4. ソラナムパンプキンとコニカルの間を埋めるようにバラを2本入れる。
  5. 手前に短いノバラを入れる。
  6. ソラナムパンプキンの後ろにワレモコウとユーカリを入れて奥行き(幅)を作る。

ソラナムパンプキンが主役のアレンジです。主役にする花材を基準にして他の花材の長さを決めました。

丸い実の可愛らしさを引き立てるように、まんまるのフラワーベースを選びました。

使われなかった実の使い方

大きな実がたくさん付いていたソラナムパンプキンでしたが、途中で重さに枝が裂けてしまいました。そんな時は、単独で実だけを飾るのも雰囲気が出ます。実の下にコースターやプレートを敷いておくとおしゃれな雰囲気に。

⑤いけばな風に飾る=和風アレンジ

  • ソラナムパンプキン
  • コニカル
  • ローゼル
  • ヒペリカム
  • ユーカリ
  • トウガラシ
  • ワレモコウ
  • バラ

いける(入れる)手順

  1. ソラナムパンプキンを少し斜めに挿す(剣山を使っています)
  2. 逆に角度をつけてにコニカルを挿す。
  3. ソラナムパンプキンの後ろにローゼルを挿す。
  4. コニカルの後ろにヒペリカムを挿す
  5. ソラナムパンプキンの半分の長さのバラをソラナムパンプキンに添わせて挿す。
  6. そのバラから少しずつ短くし長さを変えたバラを6本、前に刺す。
  7. 一番手前にトウガラシを挿す。
  8. ローゼルの後ろにユーカリと短いトウガラシを挿す。
  9. 中心のバラの後ろに、短めのバラを入れて奥行きを出す。
  10. 正面から見て左手前と右にワレモコウを挿す。
  11. 左奥にはユーカリの小枝を挿す。

いけばなの基本の飾り方をもとに、花材を全部使っていけてみました。とてもカラフルですね。

たくさんの花材を使う時

いけばなのように剣山を使ってたくさんの花材を使う場合は、逆三角形を意識することが多くあります。剣山に枝を挿す位置は出来るだけまとめて、左右前後に倒して広げると、全体がバラバラにならずまとまって見えます。

タイプ別花を飾るおすすめの場所

秋色の花アレンジを作ったら、飾る場所を決めたいですね。

細長く作ったものは・・・①、②

広がりが少ないアレンジは、省スペーで飾れる為、場所を選びません。

ダイニングテーブルの上やキッチンの窓際、常に目につく場所に置くと、日常的に季節を感じ続けることができます。

幅が広く作ったものは・・・③、④

フラワーベスの幅よりお花の形を広く作ったアレンジは、日常の導線にかからない人の動きが影響しない場所がおすすめです。

リビングのチェストの上や寝室のベットサイドテーブルに置くと落ち着いた雰囲気になりますね。

花器(剣山を使った)にたくさんの花材使ったものは・・・⑤

花器に重さがあり、剣山を使ったアレンジは、一度いけたら(飾ったら)動かさない場所をおすすめします。

華やかに作ったアレンジ(いけばな)は玄関に置くと華やかにお客様を迎えることができます。また、花器に高さがなく、移動の際に中の水がこぼれる可能性があることや、剣山を使っている為、落としたら危険。などの理由もあります。

秋は、濃いめの赤色を使うとグッと落ち着いた雰囲気に。そしてオレンジ色など多く使うと、ハロウィンの雰囲気を出すことができますね。

使用した実物・花材8種の特徴

①ヒペリカム

  • 出回りの時期・・通年
  • 水揚げ・・水切り
  • 和名・・小坊主弟切(コボウズオトギリ)
  • 選び方・・実が艶やかなもの

大きな葉も実も蒸れると黒く変色するので、風通しの良い場所に飾ることをおすすめします。

実の色が赤い物が多く出回りますが、白色や薄いピンク、黄緑、緑などバリエーションが豊かです。

②ユーカリ

  • 出回る時期・・通年
  • 水揚げ・・水切り
  • 和名・・有加利(ユーカリ)
  • 選び方・・葉付きが良く、密に付いているもの

葉に香りがあり、切った際には特には香りを強く感じます。リフレッシュ効果もあると言われますが、香りには好みがあるので飾る際は確認してからが良いですね。

ユーカリは、防虫効果や風邪や鼻炎の予防・緩和に役立つと言われたり、体や心に期待できる効果がたくさんある植物です。

③ワレモコウ

  • 出回る時期・・6〜11月頃
  • 水揚げ・・湯揚げ
  • 和名・・吾亦紅(ワレモコウ)
  • 選び方・・花の色が鮮やかなもの

枝の先にある実のように見えるものは、小さな花が集まったものです。

花の部分は時間が経つとポロポロと落ちてきます。飾る際はお掃除しやすい場所をおすすめします。

④トウガラシ

  • 出回る時期・・9〜12月頃
  • 水揚げ・・水切り
  • 和名・・唐辛子(トウガラシ)
  • 選び方・・実が艶かで、艶やなもの

葉は黄色くなりやすいので、あらかじめ取り除いて使うことをおすすめします。

秋の花材の中でもはっきりとした色とユニークな形で最近よく使われる花材です。実の色も赤の他にオレンジ色、黄色や緑色、黒色などがあります。

⑤ローゼル

  • 出回る時期・・9〜10月頃
  • 水揚げ・・水切り
  • 別名・・ベニアオイ
  • 選び方・・ガクに艶があるもの

食用ハイビスカスとして『ジャム』や『ハイビスカスティー』に使われますが、観賞用に出回るものは口にしないようにしましょう。

乾燥しやすいので、飾る場所が乾燥していると、ガクがシワになりやすいです。エアコンの風など直接当たらないところに飾れると良いですね。

⑥コニカル(ブラック)

  • 出回る時期・・7〜11月頃
  • 水揚げ・・水切り
  • 観賞用トウガラシの総称
  • 選び方・・実の色が鮮やかで艶があるもの

実が落ちやすいので、強く触らないように扱う際は注意しましょう。

⑦ソラナムパンプキン

  • 出回る時期・・9〜11月頃
  • 水揚げ・・水切り
  • 別名・・花ナス
  • 選び方・・果実の色が鮮やかで、ヘタがしっかりしているもの

小さいカボチャのように見えますが、ナス科植物で有毒成分を含むため、絶対に食べないようにしてください。

小さいお子さんや、ペットが触らない場所に置くのが安心です。

果実が大きいものは重いので、細い枝にたくさん実がついている場合は折れてしまう可能性があります。実際、私も今回、水揚げの途中で実の重みで茎が裂けてしまいました。

大きめの実が一ヶ所にいくつか付いているときは前もって切り落すこともありです。

⑧ノバラ

  • 出回る時期・・9〜10月頃、(出回るもの時期によって実が赤いものもある)
  • 水揚げ・・水切り
  • 和名・・野ばら(ノバラ)
  • 選び方・・実に艶のあるもの

茎にトゲがあるので、扱うときは手袋をしたりトゲを取り除いてから扱うと安心です。

細い茎が横に広がった形状なので、短かったり、折れてしまっていることもあります。トゲに注意しながら優しく扱いましょう。

花を長持ちさせる水揚げ方法

花材の紹介の中で『水揚げ』の方法を書きましたが、実際にどんな方法があるのか?それぞれの方法に適した花材を表にまとめました。また、水揚げを行う理由も併せて解説します。

水揚げが必要な理由

切り花は根がないので、そのままだと水を吸いにくくなります。
とくに切り口に空気や汚れが入ると、お花がすぐにしおれてしまうこともある為、
購入後、飾る前に『水揚げ』という作業をして、水をスムーズに吸えるようにしてあげます。

水揚げの方法と適した花材

方法ポイント適した花材
水切り水中で茎を切るカーネーション・ガーベラなど
湯揚げ茎先を熱湯に数秒→水へヒマワリ・シャクヤクなど
焼き揚げ茎先を軽く火で焼く→水へバラ・キクなど
ワタ抜き茎の中にある白いワタを取り除くアジサイなど
根元たたき茎先を軽く叩いて繊維をほぐすソケイ・ユーカリなど
根元割り茎先をハサミで縦に割る桜・梅・桃など

茎先とは切り口のことです。

  • むずかしく考えなくても、まずは「水切り」だけでも十分ですよ。
  • 花によって長持ちのコツが違うので、慣れてきたら他の方法も試してみましょう。

花材の準備

今回は、秋の実が付いた花材を種類豊富に手に入れることができました。お花屋さんで手に取りながら選ぶのも楽しいのですが、近くにたくさんの種類を置く花屋さんがないことからネットのショップを利用しました。

アプリのお花屋さん『FLOWER』さんです。

Instagramでよく見かけるお花屋さんですね。

『FLOWER』アプリの中に探していた花材を見つけ購入しました。

  • 秋の実と8種類のバラがそれぞれまとめられて届きました。
  • 花材の品種や色のバランスはおまかせなので、届いた実も多少は違います。

ご紹介したアレンジは、届いた花材を使って作っています。(一つの花材を数パターン使用)

サブスクは、何が届くかわからないワクワク感が楽しめますが、ここでは、自分がその時欲しい花材が届く嬉しさがあります。

センスよく選ばれた花材にとても満足しました。

招待コードを使うと10%OFFになるので、よかったらお花の購入に使ってくださいね。

【招待コード】GE69

まとめ

秋の実を使ったお花の飾り方をご紹介しした。
特別なテクニックがなくても、ちょっとした工夫でお部屋で季節を感じながら、過ごせるのが魅力です。

ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、ご自宅に届いた花やお気に入りの花材でアレンジに挑戦してみてください。
「この実を入れたらどうかな?」と試しながら生ける時間も、きっと楽しいひとときになりますよ。

今回ご紹介した実もの以外にも、秋らしさを出せる小花や枝物があります。あわせてこちらの記事もチェックしてみてくださいね

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長年自宅で茶華道教室をしていました。その経験を活かし『日常でお花を楽しむ』事や『花の知識』、そして休日に出掛けた『花のある景色』をご紹介しています。
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