切り花(生花)を長持ちさせる基本の方法と裏技/簡単なコツと花別のケア方法

お花を飾るとお部屋が一気に華やぎますよね。
でも、『数日で萎れてしまった・・・』という経験はありませんか?
この記事では、長年、華道教室を運営したくさんの種類の花を扱ってきた経験から、切り花を長持ちさせるための基本のポイントと、花の種類別ケア方法をご紹介します。
忙しい方でも簡単にできる方法ばかりなので、ぜひ試してみてください。

切り花が傷む理由
切り花がすぐに弱ってしまった場合、いくつかの原因が考えられます。
- 水の腐敗と菌の繁殖
- 水の量
- 環境の影響(置き場所)
①水の腐敗と菌の繁殖
花を入れた花瓶や花器の中で菌が繁殖してしまうと中の花は傷んでしまいます。
なぜ菌の繁殖が起こるか?
花の切り口からバクテリアが発生し、水を汚していくからです。切り口にぬめりを感じたり水が濁っていたら菌の繁殖を考えます。
②水の量
暑いから花の量が多いからといって、たっぷりの水が必ずしも花にとって良いとは限りません。
花によっては水量が少ない浅水を好むものもあり、水量が合わず傷みが早くなってしまうこともあります。
③環境の影響(置き場所)
日当たりの良い場所は花瓶や花器の中の水温が上がり、水の腐敗につながる可能性が高くなります。
また、エアコンの風などが直接当たる場所では花に負担がかかり、寿命が短くなってしまうケースもあります。

この3つを意識して対策することでお花を長持する可能性はアップします。
次の章では具体的な方法をご紹介します。
長持ちの方法
まずはどんなお花にも共通する、日常でできるお手入れをご紹介します。
- 水換え
- 切り戻し
- 涼しい場所に置く
- 延命剤を使う
- 塩素系漂白剤(ハイター)を入れる
- 10円玉を入れる
①水換え
夏場は出来るだけ毎日、冬でも2日に1回程度は花瓶内の水を交換することをおすすめします。こまめに水換えをすると雑菌の繁殖を防ぐことにつながります。

綺麗に生けた形を崩してしまうのが勿体無いと感じてしまう事もありますよね。
そんな時は、最初から水換えを想定して、花束のように細い針金などで、切り口より少し上を束ねておくと安心ですね。
②切り戻し
水換えと同時に行うと良いのが、切り戻しです。

茎が短くなってきら茎に付いた葉も取っておきましょう。花瓶の中に葉が入ってしまうと腐敗につながります。
③涼しい場所に置く
直射日光とエアコンの風が当たる場所は避けて、涼しくて風通しの良いところにおきましょう。

お花にとっては涼しい場所=エアコンの風ではないんです。
エアコンの風は乾燥していて水分が失われてしまう為、涼しいお部屋や日中室温の上昇が少ない場所がおすすめです。
④延命剤を使う
最近は花を購入した際に、小袋に入った延命剤を付けてくれる花屋さんも増えていますね。

延命剤を濃くしても花持ちが長くなるわけではないので商品説明の希釈を守って使いましょう。
⑤塩素系漂白剤(ハイター)を入れる
塩素系漂白剤のハイターですが、延命剤と同じように菌の繁殖が抑えられると言われ、花瓶に入れて使います。
水500mlに対して2、3滴が目安とされています。

実際に花屋さんでも、花持ちの為に店頭に並べる前の下処理として使っていると、教えてもらってことがあります。
⑥10円玉を入れる
10円玉から微量の銅イオンが溶け出して、それが細菌を抑制すると言われます。
花に手を加える裏技でさらに長持ち
基本のケアに加えて、少しだけ手間をかけるだかで花持ちがさらにようなる方法です。
- 切り口を焼く
- 切り口を叩く、潰す
- 茎の中のワタを出す
- 湯に浸ける
①切り口を焼く
切り口からの水の吸い上げを促すための方法です。
- 花や茎の部分を新聞紙などで覆って茎の先端をガスコンロの火などで焼きます。
- 切り口が黒くなったらすぐに水に付けてください。

くれぐれも切り口のみに火がつくようにして、新聞紙や花、ご自分に付かないように注意して行ってください。
②切り口を叩く
切り口の繊維を露出することで水を吸いやすくする方法です。
- 切り口をハンマーやハサミの柄の部分などで叩きます。
- 叩いたあとは深水(多めの水)に浸す。

枝物によく使われる方法ですが、花の中にもこの方法を使うものがあります。
③茎の中のワタを出す
アジサイに用いられることが多い方法ですが、水の吸い上げを促す方法です。
- 切り口を大きく斜めにカットします。
- 茎の中にワタのようなものが入っているのでそれを掻き出し取り除きます。
- 茎を深水につけます。

アジサイの場合は、葉に霧吹きなどで水をかけると花持ちも更に良くなります。
④湯につける
湯あげといって、茎をお湯につけることで、茎の中の空気を出して水の吸い上げを促す方法です。
- 花と茎、葉を新聞で包んで湯気が当たらないようにします。
- 切り口を80度以上の沸騰したお湯に約20〜40秒ほど浸します。
- その後、深水につけます。

茎の太さによってお湯に浸す時間は違いますが、切り口から空気が出てくるまでの約20〜40秒が目安です。
茎の縁さや花の種類によって時間を調節してください。
花の種類別、長持ちの方法
花の種類によって好む水の量や扱い方が違います。それぞれの特徴に合わせてケアすることで、より長く楽しむことが出来ます。
- ひまわり
- アジサイ
- バラ
- ガーベラ
- カーネーション
ひまわり
- 花瓶の水の量は浅水(数センチぐらいの少量の水)を好みます。
- 特に夏場は茎が痛むので浅い水で水換えをしながら楽しみましょう。
- 元気がなくなったら、湯あげします。=花と茎を新聞紙で包んだ後、約10秒お湯に浸けてから水に浸け、茎を切って生けます。

アジサイ
- 深水を好みます。
- 葉にも霧吹きなどで水分を与えると持ちが良くなります。
- 元気がない時は、切り口を斜めにカットして中のワタを出す事や茎の黒くなっている皮の部分を削ぐことも方法の一つです。
バラ
- 花瓶の水は多めに入れます。
- 元気のない時は、湯あげします。=花と茎を新聞紙で包んだ後、5〜10秒お湯に浸けてから、水に浸け茎を切ってから生けます。
ガーベラ
- 水の量は少なめの方が良い花です。
- 元気がない時は、湯あげを行います。=花と茎を新聞紙で包んだ後、約5秒お湯に浸けてから、水に浸け茎を切ってから生けます。

カーネーション
- 花瓶の水はやや少なめにします。
- 元気がない時は、湯あげを行います。=花と茎を新聞紙で包んだ後、約5秒お湯に浸けてから、水に浸け茎を切ってから生けます。

まとめ
夏場の暑い時期には花瓶の中の水温も上がり、菌の繁殖が進むことで花が傷みやすくなります。
そして、花を飾る場所は、日陰で涼しく風通しの良い場所がおすすめです。エアコンの風が当たる場所は避けましょう。
花を生ける前の対策として、花瓶や花器に延命剤やハイター、10円玉を入れる方法も有効です。生けた後は、こまめな水換えと切り戻し行くことで、水の吸収を促し、菌の繁殖を防ぐことができます。
さらに、花の切り口を焼く、叩く、潰す、中のワタを取り除く、湯あげなどの裏技も花持ちを良くしたり復活させる手段になります。
また、痛む前にドライフラワーにすることも長く楽しむ一つの案です。
お花を綺麗なままで長くお花が楽しむことで、生活の中に彩や癒しをプラス出来ますね。
まずは、すぐにできる簡単な方法から試してみてください。
また、違った形に生け直しリメイクする方法も提案しています。

サブスクサービスを利用して、季節の花を日常に取り入れるのもおすすめです。
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