植物のフトイを飾って梅雨の季節をお花で表現/実例を2つご紹介
雨の降り続く『梅雨』の季節がやってきます。
静かな雨音を楽しむ事のできる時期でもありますが、部屋の中がジメジメ、ムシムシとして気分が暗くなる事もありませんか?
そんな時期に花を飾って、気分も晴れやかに『梅雨』を楽しむのはいかがでしょうか。
長年華道教室を続けてきた経験から、花を使って季節を表現する方法を実例を使ってご紹介します。
オールシーズン出回っている『フトイ』に少し手を加えることで簡単にできるので是非、挑戦してみてください。
フトイとは
鮮やかな緑色のラインの植物です。茎の中は空洞になっていて細い茎先に茶褐色の花穂がつきます。
数本束ねたり、折り曲げて使うことも出来ます。
縞(シマ)が縦や横に入っている種類もある。
似た植物に『トクサ』がある。
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フトイを使って季節の花を飾る実例①
- フトイ 5本
- アジサイ 2本
生け方・・ガラス花瓶
アジサイ
①ガラス花瓶の高さに対して、その2倍のものを1本、ガラス花瓶の口に丁度花が掛かる長さのものを1本作る。
②切り口を大きく斜めに切り、中のワタを出す。
③花瓶の中に入れる(花瓶の中に入ってしまう葉は切り落とす。)
④2本を前後に少しずらして付いている葉を使い、倒れないようにする。
フトイ
①5本のフトイの中で一番太くしっかりしたものと、2番目に太いものを選ぶ。
②その2本に少しだけ長短をつけ、アジサイの倍程の長さにしてその後ろに入れる。
③残りの3本の中で茎先の花穂の大きさが1番大きいものを左、次に大きいものを右、最後の1本は一番右に入れる
④太いの穂先を折る。
ポイント
フトイを直線のものと茎を折るものと2種類作る事で雨の降る様子を表現する。
フトイを折る位置は高い、中ぐらいと低いの3種類作る。
フトイのように軽く硬いものは花瓶の中で浮かせて長さを調節する。
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フトイを使って季節の花を飾る実例②
- フトイ 6本
- アリウム 2本
- ヒマワリ 2本
- ナルコラン 1本
生け方・・陶器の花器(水盤)
フトイ
①3本を花器の直径の2.5〜3倍の長さ=基本の長さと、残りの3本をその3分の2程の長さに切る。(フトイの長さが基本の長さに足らない場合は、購入時の長さから1cm程切って使う)
②剣山の一番後ろに基本の長さの3本を挿す。
③残りの3本は45度傾けて挿す。
④基本の長さの3本の中の1本の茎先を折る。
アリウム
①1本を基本の長さの半分の長さに切る
②もう1本を少しだけ短く切る
③基本の長さのフトイと斜めに生けたフトイの間にアリウム2本を挿す
ヒマワリ
①2本をアリウムの半分から3分の2程に切る
②その2本をアリウムの足元に挿す
ナルコラン
①基本の長さの3分の1程に切る
②剣山の一番前に挿す
③手前に倒す
ポイント
基本の長さのフトイのうちの1本の茎先を折る時には、アリウムに掛からないようにする。
ヒマワリは剣山を隠す役割、フトイとアリウムの茎の空間を埋める役割になっている事を意識して長さを決める。
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まとめ
フトイを折り直線のものと一緒に生ける事で、梅雨の時期の雨を表現できます。
組み合わせに、5〜6月に出回る青色のアジサイや薄紫色のアリウムを使うことで季節感も感じられます。
花材を寒色系のみにすると爽やかな雰囲気になり、温かみのあるヒマワリなどを加えると華やかに飾る事が出来ます。
暑い時期にには、花持ちが悪くなることも多くなりますがフトイは扱いやすく、生けた後の水替えもしやすい花材です。安価で手に入りやすい花材でもあるので、是非、挑戦してみてください。