夏の定番、小さなひまわりを生けてみる〜配色・それぞれの役割・生け方のポイント〜
今回は、夏の花の定番!ひまわりを生かしたアレンジのお話です。
やはり夏の花といえば、パワフルな黄色が独特な華やかさを放つ「ヒマワリ」を思い浮かべる方が多いかと思います。
ひまわりは、その見た目はもちろんのこと、
「向日葵」という漢字の通り、太陽に向かって咲く花としてのイメージも強く、生き物としての健気さも魅力に感じられる素敵な花ですよね。
今回は、そんなひまわりを使ったアレンジメントを紹介しながら、
その色使いと、合わせてアレンジに取り込んだ花それぞれの役目についてお話しします。
ひまわりを使ったアレンジ(生け花)の例
今回私は、このような形でひまわりをアレンジしてみました。
(2023年7月7日に生けました)
大きすぎないサイズのひまわりを中心に据えて、他に細かな花を配置しており、
ひまわりが持つ元気でパワフルなイメージと、健気さや凜とした繊細さが共存した形に仕上がったかと思います。
それでは、以下、具体的にどんな花や花器を使用して、どんなことに注意をして生けたかをお話ししていきますね。
花材(使用した花の名前)と役割
今回使用した花材は、こちらの4種類です。
構成としてシンプルなので、全体として1,000円程度で仕上げることができるかと思います。
- ひまわり
- ゴールドスティック
- マトリカリア
- タニワタリ
ひまわり
可愛いサイズのひまわりを見つけました。中心の色がオレンジで花びらと花芯(中心)の境目があまりハッキリしていないものです。
パワフルなイメージを押し出したアレンジに仕上げたいときは、より大きなサイズの向日葵を選ぶとよりマッチするかと思います。
ゴールドスティック
ひまわりの黄色を際立たせる同系色の花を一緒に生ける事にし、選んだのが黄色の飴玉が付いているようなゴールデンステック。
同系色の花を配置することで、このアレンジ全体としてのメインカラーをイメージづけることができ、まとまり感・統一感を演出することができますね。
またこちらのゴールドスティックは、とてもシンプルな見た目ですが、意外と存在感があって全体のバランスを整えてくれるので、このアレンジのいわば”縁の下の力持ち”と言えるかもしれません。
マトリカリア
花芯が黄色で、大きさも色も主張が少なく葉っぱを取ったひまわりの花の足元を隠してくれるマトリカリア。
仮にこれを配置しなかったら、アレンジのひまわりの足元に空間が生まれて、繊細さというより頼りなさを醸してしまうでしょう。
白い花弁も、全体の黄色・緑を締める役割を担ってくれていますね。
タニワタリ
他の3種の花材のどれもが持っている緑色をしたタニワタリです。
緑色も濃すぎず、若干のシワ感・ヨレ感があるので、全体のイメージに馴染むかたちで、絶妙なバランス感を持った面としてアレンジを支えてくれています。
花器
以外にもアレンジのイメージを左右する「花器」についてもご紹介します。
今回は下記のような特徴を持つものをチョイスしました。
- 楕円の黒い陶器
- 剣山
白色か黒色かで迷いましたが今回は『柔らかさ』より『凛々しい』イメージで生けたかったので黒色の陶器を選びました。
柔らかいイメージを持たせたい場合は、白色にしてもよいですね。
生け方のポイント解説
花を生けるときのポイントには次のようなものがあります。
- 花の取り合わせ メイン、サブ、面、ポイント
- 配色
- どの花器に生けるか(ガラス花器、陶器など)
今回のアレンジでいうと、
メインの『ひまわり』
サブ(脇役)の花を『マトリカリア』
面には全体の色を締め、空間を埋める面の『タニワタリ』はメインを引き立てる役になり
長さを出す『ゴールドスティック』をポイントに合わせました。
自分で花を手に取り選ぶ事が出来るお花屋さんだと、片手で花を持ちながら組み合わせ、生けた時のイメージを浮かべて決められますね。
最初に選ぶのがメインでなくてもいいと思います。
一つ飾りたい花を見つけたら、そこからその花の役割を考えて選んでいくことで取り合わせが決まっていくと思います。
もちろん大きな花がメインとも限らなくて、大きさを面と捉えて選ぶことがあってもいいですね。
役がメインとサブの二つでも大丈夫。
ただ、二種類で決めるならメインを二つにしたり、サブが二つ、の様に同じ役の花の組み合わせだとまとまりずらくなる可能性があります。
基本はメイン、サブ、面、(ポイント)で花選びをするとまとまって生けやすくなると思います。
季節ごとのお花が楽しめるサブスクを利用するのもいいですね